Python辞書のマージ方法まとめ!2つの辞書を1つに統合するテクニック

Python辞書のマージ方法まとめ!2つの辞書を1つに統合するテクニック

Pythonで扱うことが多い「辞書(ディクショナリ)」は、データをキーと値のペアで管理する便利なデータ型です。この記事では、「Python辞書のマージ方法まとめ!2つの辞書を1つに統合するテクニック」というタイトルに沿って、辞書の基本からマージ方法、活用例、複数の辞書を1つにまとめるメリットまで、子供から大人まで分かるよう丁寧に解説していきます。

Pythonの辞書(dict)とは?

Pythonの辞書とは、「キー」と「値」のセットでデータを保持できるデータ型です。リストのように順番で管理するのではなく、名前でデータを呼び出すことができるため、情報を整理して扱う場面でとても便利です。

person = {"name": "Yuki", "age": 30, "job": "designer"}

上記のように、名前(キー)に対して値を紐づけておくことで、特定の情報をすぐに取得できます。

print(person["name"])  # "Yuki"と表示される

Pythonで辞書を使う場面とは?

辞書は、現実世界の情報をプログラムに持ち込むときによく使われます。たとえば:

  • ユーザー情報を管理したいとき(名前、年齢、メールアドレスなど)
  • 設定情報をまとめたいとき(アプリ設定、画面サイズ、音量など)
  • APIから取得したデータを扱うとき(JSON形式のレスポンスなど)

このように、関連する情報を一つの構造にまとめておける点が、辞書を使う大きな理由です。

Pythonで複数の辞書を1つに統合するメリット

プログラムを書いていると、以下のような場面で複数の辞書を1つにまとめたくなることがあります:

  • ユーザーのデフォルト設定に、上書きで個人設定を適用したいとき
  • 異なるソースから得たデータを一括で扱いたいとき
  • 処理を分けて作った部分データを、最後にひとつに統合したいとき

辞書をマージすることで、情報の整理がしやすくなり、コードの見通しもよくなります。何より、重複した情報や無駄な処理を減らせるのが大きなメリットです。

Pythonで辞書をマージする基本的な方法

Pythonでは、複数の辞書を1つにまとめるためにいくつかの方法が用意されています。それぞれの方法には特徴があり、状況に応じて使い分けることで効率的なコードを書くことができます。ここでは、代表的な辞書のマージ方法を順に紹介します。

update()メソッドを使う方法

もっとも基本的な方法が、update()メソッドを使うやり方です。

dict1 = {"a": 1, "b": 2}
dict2 = {"c": 3}

dict1.update(dict2)
print(dict1)  # {"a": 1, "b": 2, "c": 3}

この方法では、元のdict1が直接書き換えられるため、コピーして使いたい場合には注意が必要です。

辞書のアンパック(**)を使う方法

Python 3.5以降で使えるテクニックです。2つの辞書を新しい辞書としてまとめることができます。

dict1 = {"a": 1}
dict2 = {"b": 2}
merged = {**dict1, **dict2}
print(merged)  # {"a": 1, "b": 2}

この方法では元の辞書を変更せず、新しい辞書としてマージできるため、安全性があります。

パイプ演算子(|)を使う方法(Python 3.9以降)

Python 3.9からは、よりシンプルな記述方法が登場しました。

dict1 = {"x": 10}
dict2 = {"y": 20}
merged = dict1 | dict2
print(merged)  # {"x": 10, "y": 20}

この方法も元の辞書は変更されず、新しい辞書が生成されます。

辞書をマージするときの注意点

複数の辞書をマージする際、同じキーが重複していた場合は後の辞書の値が優先されます。

d1 = {"a": 1, "b": 2}
d2 = {"b": 99, "c": 3}
merged = {**d1, **d2}  # bの値は99になる
print(merged)  # {"a": 1, "b": 99, "c": 3}

データが上書きされてしまう可能性があるため、マージ前にキーの重複に注意する必要があります。

実用例:設定ファイルの統合

たとえばアプリの設定を扱う際、デフォルトの設定にユーザー固有の設定を上書きしたい場合、以下のように書けます。

default_config = {
    "theme": "light",
    "volume": 70,
    "language": "ja"
}

user_config = {
    "theme": "dark",
    "volume": 50
}

final_config = {**default_config, **user_config}
print(final_config)  # {"theme": "dark", "volume": 50, "language": "ja"}

ユーザーが設定していない項目はデフォルトが使われ、指定された項目は上書きされるため、とても自然な挙動になります。

辞書のマージは情報の整理と柔軟な設計に役立つ

辞書のマージは単にデータをまとめるだけでなく、柔軟なプログラム設計にも大きく役立ちます。

  • 段階的に構築されたデータを1つにまとめることで処理が簡潔に
  • 複数の条件や設定を統合して、判断ロジックをシンプルに
  • 開発者以外にも理解しやすい構造になる

Pythonの辞書は、ただのデータ構造ではなく、情報を「意味のある形で整理」するための重要なツールです。

まとめ

この記事では「Python辞書のマージ方法まとめ!2つの辞書を1つに統合するテクニック」と題して、辞書の基本から、複数の辞書を1つに統合する方法とその活用シーンまで幅広く解説しました。

辞書は多くの場面で使われる基本データ型ですが、そのまま使うだけでなく、複数を統合することでより強力なツールになります。

これからPythonを使った開発やデータ処理を行う中で、ぜひ今回紹介した辞書マージのテクニックを活用してみてください。